・依頼者の属性
性別 男性
年齢 50代
遺産 預貯金約1億円、不動産1億円
父が死亡したため、相続人であるAさんは、相続手続を行うとしたところ、思ったより遺産があることが判明し、当事務所へご相談。
ご相談の際に、今回の遺産額だとおそらく相続税が発生する可能性があるので、もしよろしければ当事務所と協力関係にある税理士と一緒に手続きを進めていくことも可能であることをお伝えしました。
Aさんは、面倒な相続手続を一任できることにメリットを感じ、当事務所へご依頼。まずは、弁護士からAさん以外の相続人であるBさん及びCさん宛に手紙を送り、相続人全員での話し合いの場を設けました。
幸い相続人間で大きく争いになっているわけではなかったので、お互いの希望を調整のうえ、分割の方向性をまとめました。
そのうえで、まとまった分割案が相続税の観点から過度な税負担とならないかを税理士に協議し、最終的な遺産分割協議を行いました。
・事務所からのコメント
本件のように遺産が多額となると、法的な部分だけでなく、相続税も考慮する必要があります。
このような場合、弁護士だけでなく税理士と協力して解決にあたる必要があります。
また、相続税の申告が必要になるケースについては、相続税の申告期限である10か月以内に、遺産分割協議及び相続税の申告が完了している必要があります。
なお、どうしても10か月以内に遺産分割協議が解決しない場合には、未分割のままで相続税の申告を行い、申告期限後3年以内の分割見込書を提出する必要があります。
ただ、この場合はいったん法定相続分で分割したと仮定して相続税の申告を行う必要があり、また仮定された相続税を納付する義務があります。
しかも、相続税を納付しなければならないので、そのための資金を確保する必要があります。
そうだとすると、やはり10か月以内に遺産分割協議を解決したうえで、相続税の申告に備えた方が無難かと思われます。